アジングロッド製作~リールシート編~
只今カーボンロングソリッドのアジングロッドを製作中。その作業過程を紹介していきます。
今回は以前紹介したクロスカーボンリールシートの作り方の補足をしてみます。
長い上に画像が多いので注意。前後編でやろうかとも思ったけど一気にいっちゃいます。
クロスカーボンフードの作り方
まずはじめにDPSフードの金属を剥き、幅を狭く詰め、エッジを落とします。
ここでひとつ補足、というか訂正です。以前の記事ではフードの下(フット入り口側)から詰めると書いていましたが、上下両方から詰めてください。
下からだけだと現行のシマノのリールフットでは穴が小くなり過ぎてしまうようです。逆に上からだけ詰めると旧CI4系の薄いリールフットでは穴が大き過ぎてガタが出る可能性があります。
どんなリールでも装着できるように作るには上下から均等に7~8mm幅に詰めるのがベストです。これより小さくする場合は厚いフットか薄いフットかのどちらか専用に作る必要があると思います。
今回私は現行シマノリール専用に6mm幅で作ってみました。(上から多めに削りフット穴を大きめに取ってます。)
下の画像はフードを削った断面です。左がエッジを落とす前、右が加工後。
赤く印を付けた通り、断面は厚みが一定ではなく真ん中あたりが厚くなっています。
エッジを落として丸みをつける際は、この厚みが一定になるように意識すると仕上がりがきれいになります。
下の画像を見て貰えばイメージできると思いますが細いリールフットだと多分突き抜けます笑
ってかこれレジンキャストで量産したほうが早いんじゃね?たったこれだけのためにわざわざDPSフード買うのも一々加工するのもアホらしくなってきた。
あーあ、またやりたい事が増えちまったぜ。(歓喜)
さてさてお次はお待ち兼ね(?)のカーボンブレードホース兄貴の登場。
手持ちの在庫が切れたので再注文しようとしたら欠品中じゃないか!!サノファクトリーェ・・・・
端を絞りながらカットしていくと無駄が出なくて経済的。
前回記事では針金で治具作ってましたが袋状になった部分に放りこんでマスキングテープかテサテープかなんかで取っ手っぽいの作ってやったほうが楽チンなことに気付く。
シルバーチップエポキシを多めに染み込ませてハイシュリンクチューブtype37を被せて熱します。
ここでひと手間。フードの内径より少し細いパイプを2本用意します。
シュリンクしたフードが熱々のうちにパイプで上下から挟んで冷めるまで固定します。
すると下の画像のようにカーボンがフードの側面までぴっちりと回りこんで仕上がりがキレイになります。
私はカーボンパイプ使いましたがDPSシートの不要になったパイプ部分とかで十分です。
エポキシが硬化したら余分なカーボンを削り取っていきます。
はじめに大まかに除去する際は平面タイプのルータビットがあれば便利です。
さらにダイヤモンドビットなどで削っていきます。
最終的にフット入り口などの細かいところはデザインナイフなどで丁寧に整えます。(この作業が一番大変)
最後の塗装で多少の粗は誤魔化せるのであまり根を詰めすぎないように。シートスクリューにつっかえなく通るようなら大丈夫です。
折角旋盤を手に入れたのでこんな治具を作ってチュインとやってみた。なかなか良い感じ。
とりあえすこんな感じでスクリュー側フードの成形はひとまず完了。
次はロック側の作り方です。
スクリューにはまる縦の突起を削り落とし、接着の為の溝を掘ります。
使用するシートパイプの径によりますがフード内径とシートパイプ外形を埋めるパイプを加工します。
大昔にマグロキャスティング用に買った極厚パイプが丁度内径16mmだったので使用。
外径を18.8mmまで削り接着用の穴を開ける。
フードのフット入り口がくるところには穴を開けないよう注意。
ここでもうひと手間。これは別にやってもやらなくてもどちらでも良い作業です。
パイプとフードをエポキシで接着する際にもう一度シュリンクします。
するとパイプとフードの継ぎ目の段差が無くなり一体感が出ます。
あとは好みでデカールでも貼って2液ウレタンスプレーで塗装をすれば完成。ツヤッツヤやぞ!
ちなみに今回、一度使用してから2ヶ月以上冷凍庫で保存していた2液式缶スプレーの残り(エアーウレタンとアサヒペンのやつの2種類)を試しに使用してみましたが全く問題なく使えたことに驚き。2液スプレーはすぐに使い切らなきゃいけないと思っていたのでこれは収穫。残ったものもさらに再冷凍しました。限界に挑戦してみよう笑
ついでにティップも塗装しました。
今回制作するロングソリッドロッドは目感度にも拘って反響感度以外の部分に特化させたいんです。
次はバットジョイント部かガイド部のクロスカーボンコスメの予定です。
今回は以前紹介したクロスカーボンリールシートの作り方の補足をしてみます。
長い上に画像が多いので注意。前後編でやろうかとも思ったけど一気にいっちゃいます。
クロスカーボンフードの作り方
まずはじめにDPSフードの金属を剥き、幅を狭く詰め、エッジを落とします。
ここでひとつ補足、というか訂正です。以前の記事ではフードの下(フット入り口側)から詰めると書いていましたが、上下両方から詰めてください。
下からだけだと現行のシマノのリールフットでは穴が小くなり過ぎてしまうようです。逆に上からだけ詰めると旧CI4系の薄いリールフットでは穴が大き過ぎてガタが出る可能性があります。
どんなリールでも装着できるように作るには上下から均等に7~8mm幅に詰めるのがベストです。これより小さくする場合は厚いフットか薄いフットかのどちらか専用に作る必要があると思います。
今回私は現行シマノリール専用に6mm幅で作ってみました。(上から多めに削りフット穴を大きめに取ってます。)
下の画像はフードを削った断面です。左がエッジを落とす前、右が加工後。
赤く印を付けた通り、断面は厚みが一定ではなく真ん中あたりが厚くなっています。
エッジを落として丸みをつける際は、この厚みが一定になるように意識すると仕上がりがきれいになります。
下の画像を見て貰えばイメージできると思いますが細いリールフットだと多分突き抜けます笑
ってかこれレジンキャストで量産したほうが早いんじゃね?たったこれだけのためにわざわざDPSフード買うのも一々加工するのもアホらしくなってきた。
あーあ、またやりたい事が増えちまったぜ。(歓喜)
さてさてお次はお待ち兼ね(?)のカーボンブレードホース兄貴の登場。
手持ちの在庫が切れたので再注文しようとしたら欠品中じゃないか!!サノファクトリーェ・・・・
端を絞りながらカットしていくと無駄が出なくて経済的。
前回記事では針金で治具作ってましたが袋状になった部分に放りこんでマスキングテープかテサテープかなんかで取っ手っぽいの作ってやったほうが楽チンなことに気付く。
シルバーチップエポキシを多めに染み込ませてハイシュリンクチューブtype37を被せて熱します。
ここでひと手間。フードの内径より少し細いパイプを2本用意します。
シュリンクしたフードが熱々のうちにパイプで上下から挟んで冷めるまで固定します。
すると下の画像のようにカーボンがフードの側面までぴっちりと回りこんで仕上がりがキレイになります。
私はカーボンパイプ使いましたがDPSシートの不要になったパイプ部分とかで十分です。
エポキシが硬化したら余分なカーボンを削り取っていきます。
はじめに大まかに除去する際は平面タイプのルータビットがあれば便利です。
さらにダイヤモンドビットなどで削っていきます。
最終的にフット入り口などの細かいところはデザインナイフなどで丁寧に整えます。(この作業が一番大変)
最後の塗装で多少の粗は誤魔化せるのであまり根を詰めすぎないように。シートスクリューにつっかえなく通るようなら大丈夫です。
折角旋盤を手に入れたのでこんな治具を作ってチュインとやってみた。なかなか良い感じ。
とりあえすこんな感じでスクリュー側フードの成形はひとまず完了。
次はロック側の作り方です。
スクリューにはまる縦の突起を削り落とし、接着の為の溝を掘ります。
使用するシートパイプの径によりますがフード内径とシートパイプ外形を埋めるパイプを加工します。
大昔にマグロキャスティング用に買った極厚パイプが丁度内径16mmだったので使用。
外径を18.8mmまで削り接着用の穴を開ける。
フードのフット入り口がくるところには穴を開けないよう注意。
ここでもうひと手間。これは別にやってもやらなくてもどちらでも良い作業です。
パイプとフードをエポキシで接着する際にもう一度シュリンクします。
するとパイプとフードの継ぎ目の段差が無くなり一体感が出ます。
あとは好みでデカールでも貼って2液ウレタンスプレーで塗装をすれば完成。ツヤッツヤやぞ!
ちなみに今回、一度使用してから2ヶ月以上冷凍庫で保存していた2液式缶スプレーの残り(エアーウレタンとアサヒペンのやつの2種類)を試しに使用してみましたが全く問題なく使えたことに驚き。2液スプレーはすぐに使い切らなきゃいけないと思っていたのでこれは収穫。残ったものもさらに再冷凍しました。限界に挑戦してみよう笑
ついでにティップも塗装しました。
今回制作するロングソリッドロッドは目感度にも拘って反響感度以外の部分に特化させたいんです。
次はバットジョイント部かガイド部のクロスカーボンコスメの予定です。
この記事へのコメント
相変わらず突き抜けた変態ですね(褒め)
シートのレジンでの量産は、僕も考えていました。
柔らかいABS樹脂から硬いレジンに変わる事で感度は向上するのか?
型取り迄は済んでいるのですが...
シートのレジンでの量産は、僕も考えていました。
柔らかいABS樹脂から硬いレジンに変わる事で感度は向上するのか?
型取り迄は済んでいるのですが...
tobbiny&co.さん
さすがはtobbyさん。考える事は皆同じですな。
どうせならカーボン樹脂で作りたいと思って丸棒までは私も作ってるんですよ。
エポキシにカーボンパウダーとカーボンチョップドストランド(ローピングを短く切ったもの)を混ぜるのですが、どうせなら限界まで含有させたいと思い色々な配合でテスト中なんです。
カーボン含有率は一般的な炭素強化樹脂は30%前後、CI4とかザイオンは50%前後らしいので、どこまでそれに近付けるかですな。
スクリュー部分はフジの型を取るか丸棒を旋盤でねじ切りして作るか迷うところです。
tobbyさんも是非挑戦して下さい。そして有用な情報を発見したらすぐ教えてください!(他力本願)
さすがはtobbyさん。考える事は皆同じですな。
どうせならカーボン樹脂で作りたいと思って丸棒までは私も作ってるんですよ。
エポキシにカーボンパウダーとカーボンチョップドストランド(ローピングを短く切ったもの)を混ぜるのですが、どうせなら限界まで含有させたいと思い色々な配合でテスト中なんです。
カーボン含有率は一般的な炭素強化樹脂は30%前後、CI4とかザイオンは50%前後らしいので、どこまでそれに近付けるかですな。
スクリュー部分はフジの型を取るか丸棒を旋盤でねじ切りして作るか迷うところです。
tobbyさんも是非挑戦して下さい。そして有用な情報を発見したらすぐ教えてください!(他力本願)
流石に遥か上を見てますね(呆れ)
エポキシ単体では硬度が高く割れや欠けが生じるだろうから
最初にベースを樹脂で薄く型取ってから今回の記事のように「兄貴」を被せる方法を考えてました。
最初から樹脂にチョップドカーボン入れる事は思いつきませんでした。。。
スクリューは次のスッテップで、まだ何も考えていません(笑)
エポキシ単体では硬度が高く割れや欠けが生じるだろうから
最初にベースを樹脂で薄く型取ってから今回の記事のように「兄貴」を被せる方法を考えてました。
最初から樹脂にチョップドカーボン入れる事は思いつきませんでした。。。
スクリューは次のスッテップで、まだ何も考えていません(笑)
私もサノファクトリーの欠品中を待ってます
メールでの問い合わせでは「まもなく」との事・・・
それにDPSの端じゃなくて
カーボンパイプでフードを一体化させるとは
これまた凄いわ
メールでの問い合わせでは「まもなく」との事・・・
それにDPSの端じゃなくて
カーボンパイプでフードを一体化させるとは
これまた凄いわ
tobbiny&co.さん
そう!チョップドストランドは割れ対策に必須だと思うのですが
パウダーもチョップも添加するとかなり粘度があがるので
上手くキャストするには技術が要りそうなんですよね・・・。
真空脱泡機が欲しいです(切実)
そう!チョップドストランドは割れ対策に必須だと思うのですが
パウダーもチョップも添加するとかなり粘度があがるので
上手くキャストするには技術が要りそうなんですよね・・・。
真空脱泡機が欲しいです(切実)
空読さん
本当ですか!
たくさん買わなきゃ(使命感)
カーボンパイプは多少は感度に影響があればとの
期待もあって使ってますが殆ど自己満足ですな。あと見た目?
まぁ側面なんてワインディングチェック付けちゃえば見えませんけどね~。
本当ですか!
たくさん買わなきゃ(使命感)
カーボンパイプは多少は感度に影響があればとの
期待もあって使ってますが殆ど自己満足ですな。あと見た目?
まぁ側面なんてワインディングチェック付けちゃえば見えませんけどね~。
いつも拝見させていただいてます。
世の中には色んな変態さんが居るものだと感心しきりです。
(褒め言葉のつもりです)
真空脱泡ですが、レジンやエポキシを少量の空気を抜くくらいであれば料理や食材を保存したりする際の使うもので何とかなると思います。
鍋位の大きさので手動でやるヤツですね。
世の中には色んな変態さんが居るものだと感心しきりです。
(褒め言葉のつもりです)
真空脱泡ですが、レジンやエポキシを少量の空気を抜くくらいであれば料理や食材を保存したりする際の使うもので何とかなると思います。
鍋位の大きさので手動でやるヤツですね。
相変わらず変態ですな
期待してますよ
フルカーボンリールシート!!
それと旋盤をもう少し活用すると切断とかうまくいくんじゃないかな?
期待してますよ
フルカーボンリールシート!!
それと旋盤をもう少し活用すると切断とかうまくいくんじゃないかな?
フォレストさん
注釈などせずとも変態は我々の業界では褒め言葉でしょう(麻痺)
良くご存知ですね。
実は手動の真空ポンプはすでに私も試したんですよ。
泡が減る事は減るのですが、スクリュー部などのモールドの細かい部分は
なかなか満足のいく仕上がりになりません。
本格的な真空脱泡は真空状態でレジンの沸点を下げ常温沸騰させて泡を抜くそうです。
手動ポンプの簡易脱泡機とは脱泡の原理が根本的に違うわけですな。
という話を聞くと本格的な真空脱泡機を作ってみたくなってくるわけで・・・。
調べてみたらどう安く見積もっても初期投資で5万はかかりそうです(白目)
注釈などせずとも変態は我々の業界では褒め言葉でしょう(麻痺)
良くご存知ですね。
実は手動の真空ポンプはすでに私も試したんですよ。
泡が減る事は減るのですが、スクリュー部などのモールドの細かい部分は
なかなか満足のいく仕上がりになりません。
本格的な真空脱泡は真空状態でレジンの沸点を下げ常温沸騰させて泡を抜くそうです。
手動ポンプの簡易脱泡機とは脱泡の原理が根本的に違うわけですな。
という話を聞くと本格的な真空脱泡機を作ってみたくなってくるわけで・・・。
調べてみたらどう安く見積もっても初期投資で5万はかかりそうです(白目)
F_LABさん
作ってる間に私も思いました。
両側から掴める治具作れば最初のカット、シュリンク、余分除去まで
一気にできて効率がいいですよね・・・。まだまだ未熟・・・。
スクリューの削り出しとかF_LABさんも手伝ってくれても良いんですよ?ニッコリ
今年は旋盤をフル活用して脱フジ製品を目指します!(ガイド以外)
作ってる間に私も思いました。
両側から掴める治具作れば最初のカット、シュリンク、余分除去まで
一気にできて効率がいいですよね・・・。まだまだ未熟・・・。
スクリューの削り出しとかF_LABさんも手伝ってくれても良いんですよ?ニッコリ
今年は旋盤をフル活用して脱フジ製品を目指します!(ガイド以外)